ミャンマーにおける労働関連法制度その4(工場法、労働者災害補償法)

ミャンマーにおける労働関連法制度その4(工場法、労働者災害補償法)

1、工場法

工場法は、工場における労働者の労働時間などの労働条件や安全衛生の確保に関する規定がなされている。

工場法における工場の定義は「a.10 人以上の労働者が現在働いており、若しくは、過去12 か月以内のいずれかの日に10 人以上の労働者が働いていたことがあり、かつ、その中のいずれかの場所において動力により製造工程が稼動しており、若しくは、通常稼動している区域を含む建物、又は、b.20 人以上の労働者が現在働いており、若しくは、過去12 か月以内のいずれかの日に20 人以上の労働者が働いていたことがあり、かつ、その中のいずれかの場所において動力によらずに製造工程が稼動しており、若しくは、通常稼動している区域を含む建物」と規定されている。

また工場法における労働者の定義は「有給であるか無給あるかを問わず、製造工程において、製造工程に用いられる機械、若しくは建物の清掃において、又は、製造工程若しくは製造工程に付随、若しくはそれに関連するその他の種類の労働において、雇用される者。ただし、製造工程が稼動していない部屋又は場所において事務員として労働するに過ぎない者は除く。」と規定されている。

工場法の適用範囲は、以下の通りである。

・動力によって稼動する製造工程が稼動しており、10 人以上の労働者がいる工場。

・動力によらずに稼動する製造工程が稼動しており、20 人以上の労働者がいる工場。

・100 人以上がその中で雇用されている倉庫又は貯蔵所。

・機械による動力が使われている港、波止場又は埠頭(関連倉庫含む。)。

・港、波止場又は埠頭における、船の荷積み、荷降ろし又は給油作業。

・1 人以上の労働者が関与する労働のうち、1954 年11 月29 日付通達に定めるも

の(自動車の修理・塗装のための作業場、プレス、搾油工場)。

同法は、工場における労働者の労働時間について定めている。18 歳以上の労働者は、1 週間で44 時間以内、1 日8時間以内が法定の労働時間として規定されている。これを超過した場合、時間外労働として基本給の2倍の割増賃金を支払わなければならない。ただし、

男性が、技術的な理由により労働を継続しなければいけない工場において労働している場合は、1週間で48 時間が法定労働時間とされている。

工場における 18 歳以上の労働者の労働時間は、連続して5 時間を超えることはできない。5 時間を超える前に、30 分以上の休憩を取らなければならない。また、時間外労働の割増賃金が支払われる場合であっても、工場における18 歳以上の労働者は、休憩時間を含めて1 日に最大10 時間を超えて労働することはできない。ただし、大統領の許可があり、また、大統領が一般的に又は特定の工場に関して決めた条件に従う場合は、この限りではないと規定されている。なお、13歳未満の年少者を工場において労働させることはできない。

その他、同法は、工場における安全衛生及び労働環境の整備義務を規定している。具体的には、衛生の維持、悪臭への対策、廃棄物の適切な処理、適切な換気及び温度の維持、埃、蒸気その他の不純物に対する対策、人為的に加湿が行われる場合のその方法等、労働者の過密状態の防止、十分な照明、十分な飲料水の提供、十分な便所の設置、フェンスと機械、通路、階段、通行手段、床のくぼみ、排水溝、すきま等、火災対策、シャワー設備など、労働環境に関する様々な整備義務を課している。

 

2、労働者災害補償法

同法は、雇用関係上において労働者に発生した事故や負傷について、使用者が労働者に対して補償すべき義務を規定している。尚、同法は社会保障法上の労災給付保険制度の適用対象者は適用除外である。

使用者の補償義務は、死亡、一定の事由を除く負傷事故に対して、補償しなければならない。補償額の算定は、死亡事故の場合は、基礎算定月給の36倍など、負傷の程度毎に規定がある。同法違反について、使用者に罰金刑が規定されている。

 

 

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