ミャンマーにおける資金送金

ミャンマーにおける資金送金

1、送金規制概要

現在、ミャンマーは、外国投資奨励政策の一環として、外国送金に関わる法整備を進めています。既往まで、Foreign Exchange Regulation Act (1947)という古い法律を基礎に外国為替管理行政が行われてきましたが、2012年に外国為替管理法(Foreign Exchange Management Law)が制定されてから、徐々に送金規制が緩和されつつあります。もっとも、実務的には、施行規則などの下位規範の運用が不透明で、地下送金等の違法な送金が横行しています。尚、外国為替管理法は、内国法人、外国法人ともに適用対象となる点に留意する必要があります。

またMICの承認を受けた外国企業が事業取引に関連して行う送金については、外国投資法上の規定において、優遇措置が認められています(外国投資法39条)。MICから国外送金の事前承認を得るためには、MIC に対して申請書(Form 13)および必要書類を添付して外国送金の申請をします(外国投資規則143 条、144条)。

(外国投資法39条)

Transfer Right of Foreign Currency

The investor has the right to remit abroad, through the foreign bank in the country according to the exchange rate of the concerning foreign currency-

(1) The foreign currency entitled by the investor of foreign currency.

(2) The foreign currency approved by the commission to with draw by the foreign capital carrier.

(3) The net profit after deducting taxes and funds from the annual profit entitled by the investor.

(4) Due remaining money after deduction taxes and reserving living expenses from the salary and allowance received by the foreign employee.

(1) 外国資本を持ち込んだ人が権利を有する外貨

(2) 外国資本を持ち込んだ人にMICが引出を許可した外貨

(3) 外国資本を持ち込んだ人が得た利益から税金を控除した後の純利益

(4) 外国人がミャンマー国内で得た給与及び適法な収入から、税金と本人と家族の生活費の控除した後の残高

 

 2、外国為替管理法に基づく送金実務

(資本取引)

  1. 配当金
  2. 借入金元本返済(Short Term Loanを除く)
  3. 資本金

資本取引に係る国外送金は、原則的に、MICの承認およびミャンマー中央銀行の事前の許可が必要となり、送金後の報告義務もあります。MIC承認については、MIC申請時に、資金計画書を提出する必要があります。

配当金の支払いについては、決算期ごとに納税証明書を添付してMICに都度の承認を得る必要があります。

尚、外貨建てでの国外送金については、原資として、輸出対価の外貨、又は資本金見合いの外貨のみ送金外貨として認められる運用となっています。従って、中央銀行が国内に正当に流入している外貨として把握し管理している外貨を、送金原資として確保することが実務上必須となっています。

ミャンマー中央銀行から事前の許可を得るための事務手続きとしては、送金依頼書、Form A、MIC承認書(Form 13)、外貨の獲得証明、収支一覧表、その他中央銀行から個別に指示を受けた書類を添付して申請を行います。

法人設立手続きにおける資本金送金については、DICAより営業許可(仮営業許可含む)を得た後、その許可証をもとに、資本金送金を行います。資本金の払い込みは、国営銀行であるMFTB(The Myanmar Foreign Trade Bank)か、MICB(The Myanmar Investment and Commercial Bank)などの外国為替専門銀行で送金依頼を行うことになります(MICから被仕向銀行の指定を受ける場合ある)。資本金の送金は、原則、許可日(営業許可証の発行日)から30日以内に最低50%の資本金の払込が必要で、残りの50%の資本金の払込残高は、許可日から180日以内に払い込まなければなりません。なお、資本構成委員会の承認を得れば、最大で許可日から12か月まで最終の資本金の払込を延長することができます。

(経常取引)

  1. 貿易に係る経常取引
  2. 借入金元本返済(Short Term Loan)
  3. 借入金利息支払い
  4. ロイヤリティ支払

経常取引については、原則的に、ミャンマー中央銀行の事前許可、報告義務などの規制はありません。

(ミャンマーへの仕向送金)

アメリカによる金融制裁の一環として、SDNリスト対象者あての銀行取引はできません。送金したとしても米国を含む海外の銀行口座において資産凍結措置が取られる可能性があります。日本からミャンマー人宛ての送金手続きには、SDNリストのスクリーニング、マネーロンダリングチェックなどの厳しいチェックを受けることになります。ミャンマー宛ての送金については、事前に仕向銀行との協議が必要となります。

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