ミャンマーのマクロ経済指標 (輸出額、輸入額、資源)

ミャンマーのマクロ経済指標 (輸出額、輸入額、資源)

ミャンマーの2013年における輸出額は、11,204百万ドル。輸入額は、13,759百万ドル。若干ではありますが、現状は輸入超過構造にあります。今後は、輸出の中心であるエネルギー資源などの、東アジア、ASEAN、インド向けの輸出が増加していくと予測されており、貿易収支としては、黒字化傾向のトレンドで中長期的には推移していくものと思われます。

ミャンマーの輸出源を分析する上で欠かせないのが、ミャンマーの天然資源についてです。ミャンマーでは、海洋資源として天然ガスや石油が産出します。特に、タイや中国向けの天然ガスの輸出は、ミャンマーにとって一番の収入源となっています。天然ガスの輸出が伸びることが、経常収支の黒字化のベースです。軍事政権時代は、中国との蜜月関係を背景として、エネルギー関連の資源開発の権益のほとんどは、中国系企業が独占していました。しかし、民主化後、中国ミャンマー間の政治的な関係の希薄化から、中国勢のプレゼンスが後退しています。エネルギー関連の権益獲得のため、近年、世界中の資源開発メジャーが、ミャンマーでの資源開発への参入を目指しています。ミャンマーを舞台とした資源開発競争は、資源国たるミャンマーの地政学的な位置づけから見ても必然的な結果です。ミャンマーのインド洋側に影響力を得ることは、シーレーンの議論の中で、インド洋や中東からのエネルギー資源を、マラッカ海峡を通さずに確保できることと同義です。特に、中国にとってはミャンマーで資源を確保することが、中国のエネルギー政策上極めて重要となっています。中国はすでにミャンマー沿岸部チャオピューから中国本土までの天然ガスパイプラインを完成させ、ガス供給を始めています。今後、各国メジャーによるインド洋側の海洋資源開発が活発化することで、ミャンマーの地理的な優位性はますます高まります。ミャンマーの天然ガス資源は、中国だけでなく、内陸ASEAN最大の製造業基盤を有するタイへの主要供給源ともなっており、他の隣国にとっても重要な輸入先であります。

内陸資源としては銅、鉛、金、プラチナ、タングステン、レアメタルなどの金属資源も豊富です。さらに、翡翠やルビーなどの宝石資源についても、世界有数の産出国です。毎年開催されている首都ネピドーでの宝石オークションは大盛況で、普段閑散としている行政都市ネピドーに、大勢の中国系宝石ブローカーが詰めかけ、活況を呈しています。ここで売買される翡翠やルビーがもたらす外貨もミャンマーの大きな収入基盤の一つになっています。

現在ミャンマーは、国土の半分以上が森林資源であり、高級家具などに使用されるチーク材も豊富に存在しています。チーク材は、他のASEAN諸国やインドなどは、すでに伐採し過ぎて伐採禁止の措置になっている国が多いですが、ミャンマーでは今だに生産・伐採が可能です。当面チーク材生産におけるミャンマーの地位は揺るがないと見られています。

エヤワディデルタはかつて世界一の米の輸出を誇った肥沃な土地として有名です。ミャンマー農産資源のメインは米です。かつての世界最大の米の輸出国としての地位を復活させるため、ミャンマー政府はミャンマー米の増産と輸出の増加を重要政策として位置付けています。日本政府も、約半世紀ぶりにミャンマー米の輸入を再開しています。ただし、ミャンマーが米の輸出国の世界メジャーへの復活を遂げるには、農業の機械化、農業技術の向上などの農業生産性向上のための近代化が不可欠です。米の品質確保と付加価値向上は必須であり、同時に、米だけでなく、肥沃な土地を活かした高付加価値の農産物の開発など、農業政策自体も戦略的に見直す段階に来ていると言えます。

最新関連記事 一覧はこちら