ミャンマーへの投資環境 (ハードインフラ面)

ミャンマーへの投資環境 (ハードインフラ面)

ミャンマーへの進出・投資環境の問題点として、最も指摘されるのは、電力や道路、水道などの産業インフラが脆弱で未整備であることから、それがビジネス構築上のボトルネックになることです。

(電力)

ミャンマーのインフラ面で特に問題とされるのが電力の不足です。数年前の状況よりは改善はしている印象がありますが、一日に数回停電が発生することも多く、電力環境が極めて脆弱で不安定です。電力不足を理由にして国内ではデモが起こることもあります。農村部を中心とした地方都市の電化はかなり遅れており、農村電化は社会的な課題となっています。

現政府は、水力発電依存型(全体の約7割程度、国内に流れる大河を活用)を、火力発電(石炭・ガス)など他の発電源に多様化させる方針を発表しています(テインセイン大統領は、2012年4月の来日時に、日本の火力発電所を視察した)。丸紅や住友商事など日系商社も、既存の火力発電所のオーバーホールに向けて動き出しています。水力発電依存型は、ミャンマー特有の気候(乾期12月~4月)により、雨の降らない期間に電力供給が不足するという自然的要素をクリアすることができません。

今後、ミャンマーの工業化が進展する中で、消費電力自体も大幅に増加することが予想されており、雨期と乾期との電力バランスをうまくコントロールできるような戦略的な施策が求められています。

そして、送電インフラも脆弱で、漏電や、電気を盗まれるケースも多く、改善すべき課題も多い。

(道路交通)

ミャンマー国内の主要都市を結ぶ幹線道路は整備されつつあるも、依然として、未舗装の道路も数多く残っており、今後の整備が求められています(舗装率は、約2割程度)。ネピドー・ヤンゴン間もハイウェイは完成していますが、軍事政権時代の経済制裁によりアスファルトの禁輸措置の影響を受け、コンクリート舗装の道路となっています。また各主要な港湾から都市部までのアクセス道路についても大型トラックが頻繁にするには、現状劣悪な道路状況であり、港湾機能の整備と併せて、アクセス道路の拡張整備も求められています。また今後、地方の農産物などをヤンゴンへ集荷するコールドチェーンなども求められており、物流網の整備が、小売流通業の発展のためにも欠かせません。

また、雨期には、ヤンゴン市内であっても各所で道路が冠水し、通行ができなくなります。道路整備計画の中で、洪水対策・治水対策も含め検討することが求められています。

民主化後の数年間で、ヤンゴン市内の交通量が激増し、信号システムなどが未整備であるため、極度の交通渋滞が発生しています。日本の国土交通省も交通運輸技術分野において支援を始めており、日本の交通制御システム(信号機)の導入や高架道路の建設などが決まっています。交通渋滞で有名なインドネシアのジャカルタは、交通渋滞の解消が大統領選挙の主要な論点にもなっていましたが、日常の経済活動への大きな制約を発生させる要素であり、ヤンゴンにおいても、交通渋滞の解消は、重要な政策課題となっています。

(通信)

外国投資が増え、経済活動が活発になれば、それに伴う通信需要は高まります。既往まで、政府の通信容量規制などありましたが、現在は、容量規制については緩和されつつあります。

近年話題になった携帯電話事業者の入札選定において、カタール(Ooredoo社)とノルウェイ(Telenor社)の事業者が許可を得て、日本の事業者が参入できなかった経緯がありました。しかしその後、KDDI、住友商事連合は、ミャンマーの国営通信会社と合弁事業としての参入を実現させています。後発ではあるが、ジャパンクオリティでのサービス提供で挽回することが期待されています。

(水道)

水道インフラ自体は、ヤンゴンなどの主要都市では一定程度整備されているが(ヤンゴン市内では水道普及率は6割程度)、過年メンテナンスが殆どなされてこなかった為、断水も多く、水質は極めて良くない状態です。

日本政府は、老朽化しメンテナンスがなされていないヤンゴン市内の浄水場や水道インフラを再整備するため、官民あげての支援体制を構築し(東京都水道局、東京水道サービス、三井物産など)、現在水質向上への技術支援を行っています。

また、日本の三菱商事とマニラウォーター(フィリピン大手)が合弁事業として、ヤンゴン市内の商業地域における漏水や盗水を防ぐための無収水率削減計画を策定し、YCDCとの合意の下、プロジェクトが進められています。

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