ミャンマーへの投資環境(少数民族問題)

ミャンマーへの投資環境(少数民族問題)

ミャンマーには、約135の少数民族(政府公式発表)がいると言われています。その70%程度がビルマ族で、その他カレン族、シャン族など、数多くの少数民族がいます。過去、ミャンマーの歴史の中で、少数民族同士の紛争が内戦の形となって、統治上の大きな問題の一つであり続けてきました。その背景には、民族間の宗教対立も絡んでいて、その対立の構図は、複雑かつ深刻な内政上の問題となっています。テインセイン大統領は、この少数民族問題に積極的に取り組む姿勢を見せており、同問題では、議会内に設置された国内の和平問題委員会の委員長であるアウンサンスーチーとも意見交換を行い、解決への道筋を探っています。

2012年1月には、63年にも及んだカレン族との紛争に終止符が打たれ、停戦合意に至りました。国際社会からの注目度も高い、最も激しい対立と紛争を繰り返してきたカチン族の武装勢力(KIA)とも、幾度の停戦合意交渉を重ね、一歩一歩に合意に向けて交渉が進展しています。

そして、国籍を有しないロヒンギャ族の迫害問題も深刻な問題として、国際社会の関心を集めています。ロヒンギャ族は、イスラム教徒であることが、ミャンマー国内のマジョリティである仏教徒との対立を生む背景ともなっています。ロヒンギャ族はミャンマー国内に100万人以上いると言われており、今後ロヒンギャ族への政府の対応次第では、人権侵害国家としての烙印を押され、ミャンマーの民主国家としての評価を大きく下げる要素となることが懸念されています。日本政府も、同問題解決への関心が高く、日本財団会長の笹川陽平氏を少数民族福祉向上大使に任命して、和平に向けた解決のための支援を行っています。

なお、ミャンマー国軍は、軍事政権の象徴として、国際社会で悪いイメージが定着していますが、ミャンマーにおける長い少数民族問題の歴史を鑑みれば、ミャンマーの統治機構上、国軍の存在が必要不可欠であったと評価する専門家も多いです。アウンサンスーチー自身も、統治上の必要性から、軍の存在を否定しておらず、今後も連邦国家としてのミャンマーは、少数民族統治との関連で、軍の存在が否定されることはないものと考えられます。一説によれば、首都をヤンゴンから中部のネピドーに移転したのも、少数民族紛争統治のため、国軍をコントロールしやすい位置に置くためであったとも言われています。

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