中国 TOPIC1 内陸部の経済発展(成都)

中国 TOPIC1 内陸部の経済発展(成都)

四川省の省都、成都。その歴史は2300年。隣の重慶と合わせて人口1億人を超える中国内陸部で最も成長している巨大都市。四川省だけで見ても、その面積は日本の国土の約1.3倍。GDP規模は2兆元を超える。内陸部最大の経済圏と言える。成都は、山に囲まれた重慶よりも平地の面積が大きく、街の開発は整然と秩序立って行われてきたこともあり、上海や重慶などに比べて開発空間に余裕があり、ビルやレジデンスなどの建物の密集感は少ない。街は新しく、驚くほど清潔。現在、成都市民の自動車保有台数は、北京、重慶に次いで中国第3位。2008年以降、成都や重慶など内陸部の大型都市が、沿海部の都市の成長率を超え、中国経済の牽引役となっている。

米系シンクタンクが毎年発表する中国成長都市ランキングでは、2015年は成都が第1位となった。上海は第2位。北京にいたっては第13位。重慶は第9位。米フォーブズが発表する今後10年で最も発展する都市ランキングでも中国から4都市が選出され、成都は第1位を獲得している。米フォーチュンによる世界500大企業の内、インテルやボッシュなど世界の著名企業269社が四川省に拠点を有する。世界で販売されているノートPCの半分のチップが、ここ成都で製造されている。日本企業では、トヨタ自動車や伊勢丹、イトーヨーカドー(同社世界NO1売上店舗)などが進出している。無印良品は成都に世界旗艦店をオープンさせた。もっとも、日本企業の成都でのプレゼンスは大きくなく、韓国、シンガポール、台湾勢に比べて劣勢。

成都は、中央政府からの戦略的支援が盤石で(西部大開発投資促進優遇政策、天府新区投資促進優遇政策など)、人的資源も豊富(沿海部は人件費が高騰、成都はスペックの高い比較的安価な人材獲得が可能)、最先端の航空宇宙産業や航空機設計、電子機器製造分野、交通産業、石油化学産業がその成長の基盤となっている。また成都は内陸部における物流拠点の中心で、航空、鉄道、道路運輸の要衝。新たに北京、上海、広州に次ぐ物流センターの建設が予定されている。成都双流国際空港は中国で4つ目の国際ハブ空港であり、近年、第二空港も建設される。成都の財界人はみな、成都をヨーロッパへの鉄道の始発点との位置付けをしており、成都と重慶を西側世界へのビジネスの起点とする発想を持っている。中国内陸部から見ればヨーロッパは近い。経由ルートであるチベットや新疆と四川省との経済的な結び付きも想像以上に深い。

成都はまだまだ成長余力がある。引き続き成長過程にあり、様々なマクロ経済指標やミクロ経済指標を見ても、各産業、各業態ごとに投資参入の余地が残っている。市政府は、外国企業の知財保護に積極的で、知財専門の裁判所を設置し、英語と国際法に詳しい裁判官を配置するなど、行政分野における進取性も評価出来る。

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